住宅の外壁は、その家の印象を大きく左右するものです。外壁の塗装を塗り替えれば、新築のように美しくよみがえらせることができるのです。ただし塗料の種類は非常に多く、どれを選べばいいのか迷ってしまうほどです。そこで、外壁塗装の際の塗料の種類とその特徴について解説していきます。どんな塗料を選べばいいのか選び方も分かれば、後悔しない外壁塗装ができるでしょう。
外壁塗装の塗料にさまざまな種類があるのはなぜ？何を選ぶのがベスト？
外壁塗装をする塗料には、なぜさまざまな種類があるのでしょうか？それは、塗料を作る際の成分に違いがあるのです。
塗料は、着色顔料・樹脂・添加剤・シンナー・溶剤などで作られます。中でも塗膜となる成分が着色顔料と樹脂です。とくに樹脂は塗膜の主成分であり、この樹脂が何の樹脂かによって塗料の特徴も大きく変わってくるのです。
樹脂の違いによって、太陽光や雨による劣化を防ぐ「耐候性」、排気ガスなどの汚れが付きにくい「低汚染性」、太陽光の熱による劣化を防ぐ「遮熱性」、顔料の色褪せを防ぐ「退色防止性」に違いが出てきます。つまり、外壁をきれいな状態で保つ期間に差が出るのです。
ただし長く綺麗な状態を保てる塗料は価格も高価であり、やはりいつかは塗り直さなければならなくなります。メンテナンスサイクルと価格のバランスを考えながら、予算や希望の仕上がりに合った塗料を選びましょう。
外壁塗装に使う塗料の種類と特徴を解説
外壁の塗装に使う塗料には、さまざまな種類があってどれを選べばいいのか分からないものです。商品名ではなく、塗料の原料に着目しましょう。「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機物」の4種が一般的な塗料の樹脂の原料になり、それぞれ特徴が異なります。
ウレタン塗料
ウレタン塗料とは、シリコン塗料が普及する前に一般的に使われていた外壁用塗料です。アクリル樹脂とウレタン樹脂を混合して作られていて、密着性が強いのが特徴です。伸びが良く、独特な光沢があります。木でも金属でも塗装できるのはもちろん、手すりや雨どいなど湾曲した部分にも安心して使えます。
デメリットは、耐用年数が5～7年と短めなことです。価格は抑え目なので、定期的に塗り替えたい人におすすめです。
シリコン塗料
アクリル樹脂とシリコン樹脂を混合して作られているのがシリコン塗料です。価格と耐用性のバランスが良く、近年では最もスタンダードに使われる外壁用塗料となっています。耐用年数は10～13年と、ウレタン塗料よりも長いのが魅力です。塗膜の劣化を進行させてしまう劣化因子であるラジカルが含まれますが、そのラジカルを抑制した「ラジカルシリコン塗料」や、熱による劣化の進行を抑制させる「遮熱シリコン塗料」など、さまざまな性能をプラスしたシリコン塗料が多数販売されています。
現在スタンダードとなっているだけあってさまざまなメーカーから多くのシリコン塗料が販売されている分、品質が高い物もそうでない物も「シリコン塗料」と一括りになっているので品質の良いものを選ぶ必要があります。親水性が高い分、雨に濡れると汚れが付きやすいのもデメリットでしょう。
フッ素塗料
フッ化カルシウムを主原料としているのがフッ素塗料です。耐用年数が13～15年超と長いのが魅力です。フッ素塗料最大の特徴は、非粘着性です。フッ素加工が施されたフライパンがこびりつきにくいように、汚れを寄せ付けない性質があるのです。そのため、頻繁に塗り替えることのできないビルや公共施設にも使われています。東京スカイツリーの塗装にも使われているのが、このフッ素塗料です。
水や汚れをはじく非粘着性は、実はデメリットにもなるので注意が必要です。次回の塗り替えの際に、フッ素塗料の上から塗料を重ねても弾いてしまう場合があるのです。その場合には専用の下塗りが必要になってしまいます。
無機塗料
炭素を含まない化合物である無機物質を主原料にした無機塗料は、20年超の耐用年数の長さが最大の魅力です。イメージとしては外壁にガラスを吹き付けているような塗料で、紫外線による劣化を防げます。菌の繁殖も防げるので、じめじめした土地に建つ住宅でも美しい状態を長く保てます。
ガラスを吹き付けているような固さはデメリットにもなってしまいます。住宅にひびが入ってしまった場合、塗膜もひび割れてしまうのです。また、耐用年数は長いものの価格は高額なのもデメリットでしょう。
まとめ
自慢のマイホームも、外壁が劣化してしまっていては台無しです。定期的に塗装してきれいな状態を保ちたいものです。ただし人生のうちで何度も行うものでもない外壁塗装なので住宅にとってベストな塗料を選びたいものです。
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