屋根塗装は1回塗りで仕上がるのか？そのリスクについて詳しく解説

1-1.3回塗りの工程

3回塗りとは下塗りと中塗り、上塗りを意味します。住宅業界では外壁や屋根の塗装に対して、3周分の作業が通例になります。ここまで進めて、屋根はきれいに仕上げられますし、快適な暮らしにもつながるのです。

コスト抑制のために、1回塗りや2回塗りでの依頼も見られます。しかしこの場合は、3回塗りよりもきれいに仕上げられなかったり、施工後の経過に問題が起きたりするリスクに注意です。以上を考えても、下塗りから中塗り、上塗りまでしてもらうほうがよいでしょう。

1-2.屋根塗装を繰り返す目的

3回塗りには、それぞれ意味があります。下塗りは、2回目以降の塗装における塗料の密着性を高めるためです。そのため、接着剤のような役割ともいわれています。塗料面を整えるだけでなく、塗料の吸い込み抑制も目的です。

中塗りは、塗料の健全機能をうながすだけでなく、上塗り塗料の密着性を高めます。上塗りは防水性や耐久性を高めるのが目的です。このように3回塗りには、工程別に意味があります。

1-3.場合によっては3回より多く塗ることも

屋根塗装は、3回より多く塗る場合もあります。たとえば塗料メーカーの規定によっては、4回以上ならなければいけません。規定を守らないと、依頼者や業者のトラブルにつながるおそれもあります。

劣化が目立ちすぎる外壁や屋根に対しても、4回以上塗ることがあります。劣化した素材が塗料を吸い込みやすくなっているため、それを防ぐために下塗りを2回以上繰り返すからです。このように状況次第で、4回塗り以上も想定してください。

2-1.施工不良のリスクがある

1回塗りは、施工不良のリスクがともないます。仕上がりがよくなかったり、外部からのダメージから素材を保護できなかったりするからです。見栄えの悪い家は、快適性を損なうでしょう。

屋根や外壁の塗装は、色むらをなくすために、複数回塗るのが通例です。1回塗りだけでは、きれいに仕上げにくいといえます。家をスッキリと見せるには、複数回の塗り直しは欠かせません。

塗装後の経過がよくないリスクにも、注意です。1回塗りでは塗料の保護機能が発揮できず、経年劣化が進みやすくなります。施工不良リスクを避けるには、3回塗りの原則を守りましょう。

2-2.塗料メーカーの規定で1回塗りを頼めないことがある

塗料販売を手がけるメーカーが、塗り回数を決めることがあります。3回塗りと決めていたら、業者は従わなければなりません。メーカーの規定を守らない業者は、コンプライアンスの意識がないとされるでしょう。

メーカーが、複数回塗ることを前提に塗料を作ることもあります。下塗りや中塗り、上塗りの各塗料の機能分担で、保護性能を充分に発揮できるという考えからです。このように塗料メーカー自体が、1回塗りでの効果を想定していない可能性があります。

2-3.雨漏りが起きる可能性

屋根塗装を1回しか塗らないことで、雨漏りが起きるかもしれません。全体が均一に塗られていないと、屋根の一部だけが過剰に劣化する可能性があります。そうした場所から、雨漏りが起きるかもしれません。

屋根塗装で使う塗料は、3回塗りで充分な効能を出すとされます。三層の各塗料が健全に働くことで、屋根の雨漏りを防いでいるのです。その意味でも、1回塗りではムラが起きやすく、雨漏りのリスクを高めるでしょう。