• トップページへ
  • ページ上部へ

防水工事の基礎知識まとめ!工法や防水層の種類についても徹底解説

防水工事の基礎知識まとめ!工法や防水層の種類についても徹底解説

築10~15年程度の建物は、徐々に劣化症状が現れるようになります。その症状のひとつに雨漏りがあり、その場合防水工事が必要です。とはいえ、防水工事にはさまざまな種類があるので、どの工法を選べばよいか迷ってしまうかもしれません。

そこで、この記事を参考にし、防水工事の基礎知識を押さえておけば、業者との相談もスムーズに進むでしょう。今回は、防水工事・工法・防水層の種類や特徴について解説します。

1.防水工事とは

防水水工事とは、建物内部への漏水を防止するための工事です。新築時はしっかり防水処理がされていても、経年劣化が進むにつれて、建物にひび割れや隙間が発生し、雨や雪といった降雨水が屋根・屋上・ベランダ・バルコニー・窓まわりなどから侵入してくることがあります。

そのまま長期間放置しておくと、柱や梁が腐ったり、鉄筋が錆びたりするなどして、建物の耐久性が著しく低下してしまいます。また、カビも繁殖しやすくなり、健康面にも悪影響を及ぼしかねません。天井や内壁のクロスにシミができていたりカビ臭がしたりするなどの場合は、水漏れの初期症状なので、早急な防水工事が必要です。

2.メンブレン防水

施工箇所に、耐水性がある皮膜を形成することで防水する工法をメンブレン防水と呼び、塗膜防水工法・シート防水工法・複合防水工法の3種類があります。屋上・ベランダ・バルコニーなどが施工対象です。

2-1.塗膜防水工法

塗膜防水工法の手順は、まず屋上やベランダなどを清掃した後プライマー(接着剤)を塗ります。次に、ウレタンなどの塗料を2~3回塗り重ねて防水層を作り、その防水層を保護するトップコートを塗布すれば完成です。塗りの工法なので、継ぎ目のない仕上がりになり、防水性が高まります。

また、下地の形状が平らでなくても対応できるため、室外機があるベランダやバルコニーなど、比較的狭い場所で多く施工されているようです。

一方で、防水層は毎回しっかりと乾燥・硬化させてから上塗りをするので、防水層の種類によっては、工期が長くかかります。前回の防水工事から5年ほど経過している場合は、トップコートの再塗装をおこないましょう。また、10年以上経過していたり、ひび割れや色褪せたりなどの劣化症状が見られた場合は、新たに防水工事が必要となります。

この工法の塗料にはさまざまな種類があり、なかでも防水工事の主流となっているのが「ウレタン防水」です。安価で、伸縮性・防水性・接着性・耐久性などに優れ、施工場所やその材質に対する汎用性が高いため屋上などにも使用され、人気を集めています。

塗料が乾燥するのにかかる時間は、12~20時間程度で、全体の工期は通常4~5日程度ですが、雨天をはさんだ場合、10日前後になることもあります。なお、塗装に塗りムラがあると、太陽熱などで気化した水分が逃げ場を失い「膨れ」と呼ばれる劣化症状を発生させてしまうので、均一に塗装できる高い技術力を要する工法です。

塗膜防水工法

近年、施工件数を伸ばしているのが「FRP防水」です。工事の手順は、まず、実施箇所の清掃・プライマーの塗布をおこないます。その後、シート状のFRP(繊維強化プラスチック)を敷き、ポリエステル樹脂で硬化させ、この2工程を繰り返します。最後にトップコートを塗り、防水層を保護すれば完成です。

耐食性・耐水性・耐摩耗性・耐荷重性などに優れ、軽量で強度もあるため、ベランダから屋外駐車場まで幅広く使用されています。防水層は、2時間程度で乾燥し、全体の工期は1~2日とかなり短いものです。施工やメンテナンスの費用はやや高めになります。

なお、FRPの防水層は伸縮性が低く、温度や湿気の影響で下地が変形すると、ひび割れを起こしやすくなります。そのため、約10㎡以上の木造の床面には施工できません。

2-2.シート防水工法

シート防水工法は、塩化ビニールや合成ゴム製などのシートを貼っていく工法です。平坦で広い屋上などの防水に適しており、アパートやビルの屋上に施工する場合でも、約2~4日の工期で済みます。

この工法には2種類あり、それらは「密着工法」と「機械固定工法」です。密着工法の手順は、まず下地の掃除・下地処理・プライマーの塗布をおこないます。次に、シートを下地に張りつけ、シート同士のつなぎ目や隙間を接着すれば完成です。下地とシートの間に隙間がないので、耐風圧性が高いというメリットがあります。

機械固定工法は、皮膜付きの鋼板を下地に取り付け、その皮膜を溶かすことで下地と防水シートを接着させる工法です。施工手順は、まず下地の掃除と処理をおこないますが、くぼみがあれば水分が溜まらないよう平坦にする補修が必要です。次に、湿気を逃がすための絶縁用シートを敷き、そこにシートを固定する鋼板を取り付けます。

さらに、シートの張りつけと接着、固定をします。最後に、溶剤溶着や熱溶着シート同士の隙間を接着して完成です。この工法は、通気層が広く設けられているため、下地の水分を逃がしやすいというメリットがあります。

2-3.アスファルト防水工法

アスファルト防水工法は、液状のアスファルトを浸み込ませコーティングしたルーフィングシートと、合成繊維不織布を積層していく工法です。マンションや学校など広い屋上に適した工法で、アスファルト防水層が水密性に優れているため、屋上緑化のための仕上げも可能です。

この工法には「熱工法」「トーチ工法」「常温工法」の3種類があります。熱工法は、アスファルト融解釜で液状にしたアスファルトを、ルーフィングシートに浸み込ませる工法です。液状のアスファルトは常温ですぐに固まるため、短時間で防水層を形成できます。

トーチ工法は、トーチバーナーで、下地とルーフィングシートを炙り溶かしながら張りつけていく工法です。コストパフォーマンスに優れていますが、防水性能や仕上がりは職人の技量によって左右されます。常温工法は、ゴムアスファルト粘着層がコーティングされたルーフィングシートを積層していく工法です。熱を使用せず安全に施工できるので、多くの現場で採用されています。

3.シーリング防水工事

シーリング防水工事は、外壁・屋根・窓まわりの目地や隙間をシーリング材で充填することで防水する工事です。既存のシーリングを全て除去し、新しいシーリングを充填する「打ち替え工事」と、既存のシーリングの上にさらにシーリングを追加する「打ち増し工事」があり、劣化状況に応じて施工されます。

シーリング材は、水密性や気密性だけでなく、伸縮性にも優れています。そのため、気温の変化で外壁板が伸縮しても、その動きに追随してシーリング材も伸縮するため、外壁板同士に負荷がかからず割れたりすることもありません。

4.まとめ

まとめ

屋上やベランダの防水工事には、メンブレン防水が一般的です。そして、外壁や窓まわりの目地や隙間を埋める工事が、シーリング防水になります。メンブレン防水には、ベランダなどに適した「塗膜防水工法」・平坦な広い屋上に適した「シート防水工法」・さらに広い屋上に適した「アスファルト防水工法」の3種類があり、防水層の素材や工法もさまざまです。

小牧・岩倉・犬山・春日井・北名古屋エリアで、雨漏り修理やベランダ改修防水工事をお考えでしたら「株式会社ナカヤマペイント」にお任せください。防水塗装やシーリング工事など、お施主様にご満足してもらえるよう、最適な施工をご提供いたします。WEBやLINEで、無料相談をおこなっていますので、ぜひご利用ください。