外壁塗装を検討している方は、どのような工程(流れ)で作業するのか、日数はどれくらいかかるかなど、とても気になるところかと思います。実際に施工業者に依頼する際にも、おおまかな工程や日数、注意すべき点などが把握できていると安心です。
今回は、外壁塗装の主な工程と必要となる日数について解説します。現在、外壁塗装を検討している方や、これから着工に入るという方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.外壁塗装の主な工程とは?
外壁塗装の基本的な工程は、以下のように8つの工程で進めます。工程ごとの内容と注意点を解説しますので、施工業者に任せきりにせずに、ご自身でも把握しておくと安心です。
1-1.足場の設営
外壁塗装の最初の工程となるのが、足場の設営です。職人の高所での作業の際の安全性の確保や、作業の効率性を高めるために設営します。
足場の材料となるパイプなどを運び入れて足場を組み、塗料の飛散防止のためメッシュシートなどを取り付けます。なお、足場を組む際には、大きな音も伴うため、事前にご近所へのご挨拶などをしっかりとしておきましょう。
1-2.高圧洗浄
高圧洗浄機を使って、塗装前に外壁の埃や汚れを除去する工程です。この工程でも、高圧洗浄機のエンジン音が鳴り響き、どうしても騒音が出る作業となります。また、洗浄後に、塗装作業に向けて乾燥させる時間も必要となります。
1-3.下地処理と養生
塗装後の塗膜の耐久性を損なわないために、下地処理はとても重要となります。外壁のひび割れや傷の補修、劣化したシーリング(コーキング)の打ち替え、金属部分の錆落としと錆止めの塗布、コンクリートやモルタルの補修作業などをおこないます。
また、ドアや窓枠・シャッターボックス・雨どいなど、塗料を付着させたくない部分に、ビニールやテープなどで覆って保護します。塗料が思わぬところに飛散する可能性もあるため、外にあるエアコンの室外機や植栽、車・自転車なども保護します。
1-4.下塗り
下塗りとは、「シーラー」や「プライマー」と呼ばれる専用の塗料で、外壁面を均一にしたり、上塗り塗料を壁面に密着しやすくしたりする目的でおこなわれます。下塗りに使用する塗料は、外壁の材質に合わせて選択します。
多くの住宅に採用されている窯業系サイディング材(セメントと木質系成分を混合して製造される人工の外壁)には「シーラー」、モルタルには「フィラー」、金属外壁には「プライマー」といった具合です。
1-5.中塗り
ここからは、外壁に色を付けていく作業工程となります。次の上塗りの工程までにしっかりと乾燥させることが重要となります。
1-6.上塗り
塗装作業の最後の工程です。上塗りは中塗りと同じ塗料を使用します。つまり二度塗りをするのですが、これは外壁に適した厚さの塗膜を形成するためです。また、中塗り後にしっかりと乾燥させずに上塗りをしてしまうと、必要な膜厚(塗料の厚さ)が形成されず、塗料メーカーが提示している塗料の本来の性能が発揮されなくなってしまう恐れもあります。
1-7.点検
塗装終了後、塗り残しや塗りムラがないか点検します。必要に応じて手直しなどをおこない、依頼主へ最終確認をします。
1-8.足場の解体・撤去
最後に、足場を解体し、材料や養生の撤去、清掃をおこなって完了となります。
2.外壁塗装の工程ごとの必要な日数は?
ここまで外壁塗装の主な工程について解説しましたが、全体のおおよその工期は、10日間~14日間くらいが目安となります。工程ごとの必要日数は、以下の表のとおりです。
行程 | 必要日数 |
---|---|
足場の設営 | 1日 |
高圧洗浄 | 1~3日 |
下地処理と養生 | 1~2日 |
下塗り |
3~6日 |
中塗り | |
上塗り | |
点検 | 1日 |
足場の解体・撤去 | 1日 |
3.外壁塗装の工程が遅れる原因について
外壁塗装に必要な日数については前述のとおりですが、工程が遅れることも想定し、スケジュールに余裕をもたせて考えておくことをオススメします。工程が遅れる主な原因としては、以下の2つが考えられます。
3-1.悪天候
塗装作業は、雨の日にすることができません。なぜなら、塗料にとって雨は大敵だからです。塗料に雨水などが混ざってしまうと、変色したり塗膜の形成不良を起こしたりするなどの問題が生じる可能性があります。また、塗料が乾く前に雨水が混入してしまうと、下地とうまく密着してくれないなどの問題も生じます。
強風による埃やチリも、塗料にとっては大敵となります。もちろん、悪天候の中での作業は、職人の安全確保の点からも避けるべきです。このように、天候に工期が左右されることは珍しいことではありません。
3-2.気温と湿度
一般的に、建築用塗料は気温5度以下、湿度が85%以上の場合は塗装を避けるべきとされています。塗料の性質として、気温5度以上、湿度85%未満でないと塗膜が硬化しにくいからです。また、湿度が高いと塗料が乾燥しにくくなり、作業効率の悪化や塗装の仕上がりに問題が生じることなどもあり得ます。
これらのことから、冬場や夏場は制約も多く、作業工程に影響を与える可能性も大きくなりがちです。そのため、日本では外壁塗装に適した季節として、気温15~30度、湿度75%以下となる日が多い春か秋がオススメとされています。
4.まとめ
外壁塗装の主な工程や、必要な日数について解説しました。工程によっては、予定より日数がかかってしまうこともよくありますので、予めスケジュールに余裕をもたせて計画するようにしましょう。
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