屋根塗装で絶対におこなうべき「縁切り」が必要である理由とは？詳しく解説

縁切りというのは、屋根材の隙間を埋めてしまった塗膜を切ることによって、隙間を確保するための作業のことです。

スレート屋根など、屋根は基本的に屋根材が何枚も重なるようにして構成されています。その重ね目の部分は、必ず隙間がなくてはいけないのです。隙間があると雨水などが侵入してしまう気がするかと思いますが、そうではありません。隙間がないことによって、かえって問題が発生してしまうのです。

重ね合わせた屋根材に対して、上から塗料を塗布していくことになります。すると当然表面全てが塗料によって覆われることになるため、その隙間が埋まってしまうのです。そのため、塗料を塗布したあとに縁切りをおこなうことによって、再び屋根材の重ね目の隙間を復活させるのです。

屋根塗装をおこなう業者は、必ずこの作業をおこないます。万が一DIYで屋根の塗装をおこなうとなった場合には、知識がないことにより、この作業を省いてしまうことがあるでしょう。

はじめのうちは何の問題もないものの、月日が経つにつれて徐々に雨水が室内へと侵入し、雨漏りにつながってしまいます。最悪の場合には、建物の柱などの基礎部分が雨水の影響で腐食し、建物の耐久性を著しく下げてしまう恐れもあるのです。

2-1.屋根材の下地が劣化してしまう

1つ目は「屋根材の下地が劣化してしまう」というリスクです。縁切りをおこなわなかった場合、雨が降ったときの雨水を、次第に吸収するようになります。基本的に屋根材の下には、ルーフィングと呼ばれている防水シートが敷き詰められているので、いったんは雨漏りを防ぐことが可能です。

しかし、その状態が続いてしまうと、ルーフィングの防水性ではカバーしきれなくなり、浸水してしまうでしょう。その結果、雨漏りや建物を構成している木材などの腐食につながってしまうのです。一度腐食してしまうと、改善するために大がかりな工事をしなければならなくなる可能性もあります。

2-2.屋根の通気性がなくなってしまう

2つ目は「屋根の通気性がなくなってしまう」というリスクです。縁切りをしないと、屋根材の重ね目にある隙間がなくなってしまいます。本来であれば、その隙間から建物内の水蒸気や湿気などが放出されるのですが、それができなくなってしまうのです。建物内に湿気がこもってしまいやすくなり、腐食につながってしまうでしょう。とくに梅雨の時期などには、深刻なダメージを負ってしまいやすいです。

3-1.塗装

まずは屋根を塗装するところからはじまります。屋根の表面の汚れなどを徹底的に洗い流してきれいにしたあと、塗料を塗布していきます。下地なども合わせると、何回かにわけておこなわれる作業となるのです。最終的に塗料が乾燥するまで待って、完了となります。

3-2.塗装面が乾燥後に縁切り作業

塗料が完全に乾燥した状態になったら、縁切り作業がはじまります。屋根材の重ね目にある隙間の部分に塗膜ができていますので、その部分を1枚ずつ手作業で切っていくという作業です。

塗膜カッターやコテなどを使用しておこないます。屋根全体で縁切りをおこなう場合、かなりの枚数になるため、1日がかりになることも少なくありません。塗料が乾燥してから、雨などが降る前におこなうのが理想です。

しかし、完全に塗料が乾燥してから出ないと、せっかく縁切り作業をおこなったとしても、再び塗料によって隙間がふさがってしまうため、天候を読みつつの作業となるでしょう。近年では、タスペーサーと呼ばれる専用のアイテムを使って、縁切りと同じ効果を狙うということも増えてきています。