屋根の塗装を足場なしでおこなった場合の問題や必要な理由とは？詳しく解説

1-1.近隣に対しての配慮のため

まずは、「近隣に対しての配慮のため」というのが必要な理由として挙げられます。屋根塗装をする場合には、まず高圧洗浄によって屋根表面の汚れを一気に落とすという作業が発生します。その際に汚れを含んだ水しぶきが周辺に飛び散ってしまうのです。

足場を設置していれば、足場に対して飛散防止のためのシートを取付られるため、近隣の建物に対して影響をさせないようにすることが可能です。足場がなければ悲惨防止シートの取り付けができずに、周辺に水が飛び散り迷惑をかけてしまうことになるでしょう。

1-2.安全に施工するため

二つ目の理由は、「安全に施工するため」です。足場がなくても、ハシゴを使うことによって屋根に登ることは可能ですので、それで十分と思うかもしれません。しかし、実際の施工ではただ屋根に登るだけでなく、塗料や道具などを持って行き来することになるのです。

塗料は重いので、バランスを崩してしまう恐れもあるでしょう。その際に、足場があればそもそも安全に昇り降りすることが可能ですし、万が一のときに手すりがわりにもなります。安全な施工には欠かせないのです。

1-3.高いクオリティで施工するため

「高いクオリティで施工するため」というのも理由の一つです。足場のない屋根塗装では、常に危険を意識することになるでしょう。足場がないことでの不安が、作業への集中力を低下させてしまうのです。その結果、屋根塗装のクオリティが低くなってしまう恐れがあります。足場が屋根塗装の品質に大きく影響を与えてしまうのです。

2-1.法令違反になってしまう恐れがある

一つ目の問題点としては、「法令違反になってしまう恐れがある」というものです。労働安全衛生規則という厚生労働省が定めている規則の中に、高さ2メートル以上の場所での作業に関して、足場などの作業床を設けなければならないという記述があります。

屋根塗装をおこなう場合には、基本的に2メートル以上の高さとなるため、この法令に抵触してしまう恐れがあるのです。これは労働者の安全を確保するために定められている規則ですので、コストカットを目的として安全面を低下させてしまうのは、そもそも得策とはいえません。

ただし、屋上などの転落の恐れがない場所での屋根塗装であれば、問題はないでしょう。あらかじめ確認をしておくことをオススメします。

2-2.かえって費用が高額になってしまう可能性がある

足場なしによって、かえって費用が高額になってしまう可能性もあります。たとえば、足場は設置せずにそれでも安全に屋根塗装をする場合には、ゴンドラなどを使用するという手段が存在します。高層ビルなどの清掃で使用されることの多いもので、「無足場工法」といわれています。

足場を使用しないで安全な施工ができますが、一般家屋での屋根塗装で使用するとなると、足場を設置したほうが安価で済む可能性が高いのです。

屋根塗装は、足場なしでおこなうべきではありません。必要な理由がいくつも存在していますし、足場を使用しないことのメリットがあまりにもないのです。法令でも定められていることですし、クオリティの高い施工にもつながるため、屋根塗装では足場を必ず設置しておこなうようにしましょう。

業者に依頼する際にも、当然足場を設置した上で作業がおこなわれることになります。足場が必要な理由がわからないという方は、これでいかに重要であるかご理解いただけたことでしょう。